私たちが生活できるのは、すべて太陽のお陰です。
太陽からのエネルギーが地球に到達することにより、適度な熱が得られます。
また光エネルギーを利用して植物が光合成をします。
その植物を動物が栄養源にします。
このようにして地球は生命を育むことができるのです。
太陽に感謝しましょう。
そんな恵みの源である太陽は、どんな星なのでしょうか。
■太陽までの距離はどのくらい
太陽はどこにあるのでしょうか。
太陽と地球との距離は約1億5000万キロメートルあります。
ちょっと実感が湧きません。
例えば秒速30万キロメートルで進む光でも8分かかる距離です。
言い換えるなら私たちが見ている太陽は、8分前の太陽です。
極論ですが、太陽を見ている瞬間に、太陽が本当にあるのか?
誰にもわかりません。
ちなみに地球と太陽との距離を1天文単位と呼びます。
宇宙のスケールで科学を議論する際に重要な単位です。
■太陽は宇宙のどこにある
科学が発達する前の時代、太陽は他の星と同じく天球上にあり、地球の周りを回っていると考えられていました。
実際に見た目上は、月とほぼ同じ大きさです。
そんなに凄い星とも思えません。
実際に宇宙レベルで考えると、私たちの太陽は、凄い星ではないようです。
例えば太陽を中心とした太陽系は銀河系の中にあります。
銀河系は半径が15キロパーセクの距離を持つ円盤状になっています。
太陽系は銀河系の中心から約8キロパーセクの位置にあります。
平凡な位置です。
なお銀河系自体も、宇宙で考えれば辺境にあるのです。
ちなみに1パーセクとは約3.26光年の距離です。
ここまで来ると、まったく理解できませんね。
■太陽はどんな星
では太陽とは、どんな星なのでしょうか。
宇宙のレベルで考えると、本当に平凡な星です。
ちなみに太陽のように自ら光り輝いている星のことを恒星と呼びます。
恒星の周りを回る地球は惑星です。
そして惑星の周りを回る月は衛星です。
なお恒星を分類する際に様々な方法があります。
そのひとつに明るさと温度との関係を比べる手法があります。
高校の地学で習いますがHR図と呼ばれるものを使います。
同図で見ると太陽は、本当にありふれた星です。
言い換えるなら、ありふれた星だからこそ地球のような惑星を生み出すことができたのかもしれません。
すなわち宇宙には地球のような星がたくさんあるのでしょう。
■太陽が燃える仕組みは
太陽に関する疑問として、太陽が「燃える」仕組みは何でしょうか。
SF映画などを観ると宇宙空間で激しく炎上するシーンがあります。
その際に大きな爆発音がします。
とはいえこれらは科学的ではありません。
つまり酸素がない宇宙空間で物質は燃えません。
また空気などの振動を伝える物質がないので音もありません。
実に夢のない話ですが。
ではなぜ太陽は輝いているのでしょうか。
これは水素の原子核4個が融合してヘリウムの原子核1個が作られる核融合反応が起きています。
この時に莫大なエネルギーが放出され光を発しているのです。
太陽はこの反応を約50億年続けています。
そしてあと約50億年これが続くと考えられています。
■太陽は最後にどうなるか
太陽の最後はどうなるのでしょうか。
最終的には膨張し、現在の地球が回る軌道くらいまで半径が大きくなると考えられています。
その時地球はどうなるのか?
太陽に飲み込まれる!
その前に燃え尽きてしまう?
逆に太陽からの引力が弱まるので離れていく!
様々な説があります。
しかし明確なことはわかりません。
それを知るにはどうするか?
太陽系に似た他の星を観察するしかないようです。
■NASAが探査機を打ち上げる
アメリカ航空宇宙局NASAは、2018年に太陽探査機を打ち上げる予定です。
これが成功すれば、太陽に関してもっと詳しいことがわかるでしょう。
とはいえ太陽に近づけば、高温と放射線によって機器に著しいダメージがあると考えられています。
この探査機は、最終的に太陽の大気へ飛び込んでいく予定です。
どの時点まで耐えられるのか?
どんなデータを送ってくれるのか、今から待ちどうしいですね。